1.11.血糖値の乱高下とは

1)ご褒美はスイーツ! ~血糖ジェットコースタータイプ/みかさん、事務職

1.11.血糖値の乱高下とは

これまでのみかさんのエピソードへの解説では、「低血糖」という言葉が出てきました。精製された糖質、手に入りやすい糖質、運動量の減少で、血糖値は上がっているハズじゃないの?と思われたかもしれません。

私たちのカラダにはほとんどの作用について、アクセルとブレーキが備わっています。血糖値の上昇がアクセルだとするならば、ちゃんとインスリンというブレーキがついているのです。

上がりすぎた血糖値に対して、急ブレーキを踏むと、ブレーキが効きすぎて低血糖(正確には反応性低血糖、機能性低血糖)に陥ってしまうのです。インスリンの分泌が遅くて、血糖値が下がり始めているのに、インスリンがまだまだドバドバ出てしまって血糖値が下がりすりて低血糖になるパターンもあります。

上がった血糖値が下がったのであれば、それでいいじゃないかと思われるかもしれませんが、血糖値が下がりすぎるのは死の危険もあります。

海外で行われたNICE SUGAR studyという他施設共同研究では、血糖値を厳密にコントロールしたほうが、死亡率が高かったという報告があります。血糖値が高いことを放置しておいていい訳ではないのですが、下げすぎても危険だということです。

一般的には低血糖というと、糖尿病でインスリン注射をしている方が、食べる量が少ないか、インスリン注射の量が多すぎたかで低血糖になることを指すことが多いです。一般的な病院やクリニックで低血糖と言うと糖尿病患者さんのことだけをイメージされるかもしれません。

普通に暮らす私たちは、血糖値が上がりやすい生活とインスリンによる急ブレーキで、血糖値の乱高下が起こっていることが多いです。まるでジェットコースターのように、急激に上がったかと思えば、急激に下がるような血糖変動を起こしています。

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